先日ご縁があってこの家を見学させて頂いたこの家で育った家主さんだからこそ言える格闘と愛憎話はとても面白い。
多くの家は時間や家族の振る舞い、しつらえが織り込まれ「生きられた家」として現れてくる。約60年前に建てられたこの家も猫に破られた襖には新聞紙が充てがわれ、柱や床にはこの家が積み重ねた歴史が感じられた。しかしその一方で、おそらく竣工当時とかわらない鋭さを保つ住宅だと感じた。例えると加工された鉱物のような硬質な感じ。自然なものでありながら朽ちない永続的な、、
その理由がレイアウトによるものか構造やスケールによるものなのか、はたまた篠原一男に対するイメージなのか、、、わからない。
ちょっと今まで経験したことないような空間だった。